親子岩のおはなし2007-09-02 Sun 21:53
むかしむかし、坂出の立石というところに、大きな岩の上に小さな岩がちょこんとのっている岩がありました。その岩は、強風が吹いても、大雨が降っても、けっして崩れ落ちることはありませんでした。その姿から、地元の人々は、親子岩と呼んでいました。
ある日のこと、村から村へと旅をしながら芝居をしている旅芸人の一座がやってきました。その中に、若くて、とっても力が強い役者がいました。 地元の人たちは、「いくら力持ちでもあの岩を動かすことはできまい。」と、話していました。そのうわさ話を聞きつけた若い役者は、それならばと子ども岩を「えい、やぁー」と、落っことしてしまったのです。「すごいすごい」村じゅうの人たちは驚いていました。 月日がたち、親子岩のことなどすっかり忘れて、いつもどおり暮らしていましたが、 夜になると、「うぉ~ん、うぉ~ん」と、泣き声が聞こえてくるようになりました。「はて、だれがなっきょんやろ?」 やがて、村じゅうの子供たちが熱病にかかり、なかなか治りませんでした。おかしなことがつづき、作物が枯れ、育たなくなりました。 村の人たちは気づきました。「あの親子岩の崇りかもしれない。」みんな岩のところに集まってきて、どうしたものかと、悩んでいました。そうしているうちに、夜になってしまいました。 「うぉ~ん、うぉ~ん」子ども岩が泣いてるではありませんか。それをみてみんなは、今まで、ほったらかしにいていたことを悔みました。そして、子ども岩をもとの親岩の背中に乗せることにしました。 「うんとこどっこいしょ」村人たち全員が協力をしてやっと、のせることができました。 それからというもの、子どもたちは元気になり、不思議な出来事はぴたっとやみました。 今でも、香川県坂出の雌山の麓、立石に仲良くおんぶされた岩があり、地元の人たちを、やさしくみまもっています。 ![]() 立石子ども会
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